皮膚科医や形成外科医などを対象に無料トライアルを実施
皮膚の腫瘍やほくろなどの色素病変を、拡大鏡(ダーモスコープ)で観察するダーモスコピー検査。悪性黒色腫や基底細胞がん、有棘細胞がんなどの皮膚のがんと、色素性母斑や血腫、老人性のイボである脂漏性角化症などと見分けるためには、専門書に掲載されている症例データと実際の検査画像を照らし合わせつつ行う必要があり、診断スキルの取得には長期間の経験が必要とされる。
画像はリリースより
カシオ計算機株式会社は、そうしたダーモスコピー検査を効率的に学ぶための医師向けクラウドサービス「CMDS」(https://cmds.casio.jp/CMDS/)を東京女子医科大学東医療センターの田中勝教授、さとう皮膚科の佐藤俊次院長と共同で開発。皮膚科医や形成外科医などを対象とした無料トライアルサービスを6月1日より開始している。
CMDSでは、同社がもつデジタル画像処理技術を使って、病変画像の構造明瞭化を実現しており、血管の分布状況を顕在化させることもできる。また、代表的な病変を収録した症例データベースのほか、診断トレーニングフォームも提供。ダーモスコピー検査を学ぶ医師を多角的に支援している。
田中教授「腫瘍の臨床診断精度が高まることに期待」
開発に携わった田中教授は、「ダーモスコピーがもっと普及すれば、腫瘍の臨床診断精度が高まることが期待される。将来的には、診断の候補となる類似画像を表示するようなプログラムを開発していくことで、診断の補助的な役割も期待できる」とコメント。
もう1人の共同開発者の佐藤院長も「ダーモスコピー初学者にとっては、説明されている構造が実際のダーモスコピーのどれにあてはまるのか把握しにくいことがある。忙しい開業の毎日においても時間のかからないダーモスコピー診断のツールになれば」と期待を寄せる。
CMDSは現在、医療関係者向けの教育/学習用途に限ってサービスを提供しており、診断・治療等の医療行為に使用することはできない。同社では、トライアルサービスを通じて蓄積したノウハウで、小児科医や内科医なども対象とした有料サービスの展開を目指している。
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・カシオ計算機株式会社 ニュースリリース