医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > ザーコリ適応の肺がん患者を識別するコンパニオン診断薬をFDAが承認-米ロシュグループ

ザーコリ適応の肺がん患者を識別するコンパニオン診断薬をFDAが承認-米ロシュグループ

読了時間:約 1分16秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年06月29日 PM03:00

全自動免疫組織化学法コンパニオン診断薬

ロシュグループのベンタナ・メディカル・システムズ社は6月15日、「VENTANA ALK (D5F3) CDx Assay」の承認を米食品医薬品局(FDA)より取得したことを発表した。

VENTANA ALK (D5F3) CDx Assayは、FDA承認されているファイザー社の分子標的治療薬「(R)」(一般名:クリゾチニブ)が適応となる患者を識別するためのコンパニオン診断薬。2012年にヨーロッパでCE-IVDを取得、2013年に中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)で承認されている。

ザーコリは、腫瘍の重大な成長と生存の伝達経路を遮断することが示されたファースト・イン・クラスの経口ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害剤。ALK陽性と検出された、転移性非小細胞肺がん()の患者の治療に適応され、腫瘍の縮小または成長を遅らせる効果を持つ。

従来の蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法によるALK検査では、患者はALK変異状態の結果を受け取るまで何週間も待たなければならなかった。今回承認されたALK IHC検査があれば、数日の間にALKの状態を知ることができるという。

二択の分かりやすいスコアリング法で迅速な検査結果を提供

ベンタナ社は今回、VENTANA ALK (D5F3) CDx assayとスコアリング法を用いて、ファイザーが資金提供する臨床試験から得た患者検体をレトロスペクティブに試験。そしてこの検査が、ザーコリを用いた治療の効果が見込めるALK陽性NSCLC患者を識別するのに効果的であることを実証したという。

今回の米国FDAのクラスIII承認により、ALK IHC検査は、免疫染色(IHC)装置である「ベンタナ ベンチマーク」で世界的に広く利用可能となった。今後は、標準的な検査室ワークフローに取り入れられ、 陽性か陰性の二択の分かりやすいスコアリング法で迅速な検査結果を提供するだろうと、同社は述べている。

▼外部リンク
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン 肺がん領域に初参入
  • レポトレクチニブ「がん細胞が耐性を獲得しにくく、長期使用に期待」
  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待