PPIとは異なるメカニズムで、胃酸分泌を抑制
ラクオリア創薬株式会社は6月25日、アシッドポンプ拮抗薬(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)の用途に関して、同社が出願していた特許の査定を受けたことを発表した。出願番号は2011-521969。
同特許発明により、アシッドポンプ拮抗薬の消化管運動に関する新しい用途が見出され、消化管機能調整剤、または消化管運動賦活化剤として使用する権利が同社に認められた。同特許の権利範囲には、すでに発売されている「ボノプラザン」(タケキャブ(R))、および現在または将来開発されるアシッドポンプ拮抗薬を広く含んでいるという。
アシッドポンプ拮抗薬は、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)とも呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌関連疾患治療剤。胃食道逆流(GERD)治療薬として現在の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なるメカニズムで、PPIよりも速やかにかつ持続的に胃酸分泌を抑制するという。
PPIでは、十分に胃食道逆流症の症状が改善されなかった場合でも、アシッドポンプ拮抗薬では改善効果が期待され、さらに、機能性胃腸症など他の消化器疾患の治療薬となる可能性が示されている。
国内では第1相臨床試験の投与が終了
ラクオリア創薬は2010年9月に、韓国のCJ第一製糖株式会社(現:CJヘルスケア株式会社)とアシッドポンプ拮抗薬について東アジア地域を対象にライセンス契約を締結。2014年11月には、東南アジアを対象としたライセンス契約を締結している。
同社のアシッドポンプ拮抗薬は、現在、韓国において、CJ社による第3相臨床試験が進められており、同社では米国における第1相臨床試験が終了し、また日本においては第1相臨床試験の投与を終了。総括報告書の作成を進めている。
▼外部リンク
・ラクオリア創薬株式会社 プレスリリース