インヒビターの有無にかかわらず良好な忍容性と有効性を確認
中外製薬株式会社は6月23日、血友病Aを対象として開発中の抗factor IXa x 抗factor Xバイスペシフィック抗体「ACE910」に関して、第1相臨床試験(ACE001JP試験)の継続投与試験である第1/2相臨床試験(ACE002JP試験)の中間データを発表した。
ACE002JP試験は、血液凝固第VIII因子に対するインヒビター保有/非保有の日本人の血友病A患者を対象に、ACE910の安全性および出血抑制を目的とした予防投与の有効性について検討を行ったACE001JP試験の継続投与試験。
これら2本の試験データの解析により、インヒビターの有無にかかわらず5.6~18.5か月間(フォローアップ期間)における良好な忍容性と有効性が確認されたという。
ACE910投与期間中に全く出血を認めなかった症例は18例中9例
公表された中間データによると、ACE910の週1回の皮下投与により、インヒビターの有無に関わらず、各コホートにおいて出血抑制効果が認められ、そのうち、ACE910投与期間中に全く出血を認めなかった症例は18例中9例あったという。
また、有害事象は18例に認められたが、そのすべてが軽度から中等度のもの。このうち、ACE910との因果関係が否定できない副作用は6例に認められ、その主なものは投与部位反応だったとしている。
臨床上問題となる過凝固を示唆する臨床検査値の異常や臨床所見は全てのコホートにおいて認められず、投与期間中の出血に対して第VIII因子製剤もしくはバイパス製剤を用いたオンデマンド治療が併用された症例においても、過凝固に関わる有害事象は認められなかったという。
なお、同剤長期投与時の試験成績は、カナダ・トロントで開催中の国際血栓止血学会年次総会(ISTH 2015 Congress)において口述セッションでも報告された。
▼外部リンク
・中外製薬株式会社 プレスリリース