目標血糖値が達成できていなくても6割の患者が「治療に満足」と回答
アストラゼネカ株式会社は6月22日、40~70代の経口薬のみで治療中の2型糖尿病患者400名、糖尿病治療に従事する医師220名を対象に実施した意識調査の結果を発表した。
画像はリリースより
同調査によれば、目標血糖値が達成できていない患者は45.0%。そのうち「現在の糖尿病治療に満足している」患者は58.9%だったという。目標血糖値が達成できていないにもかかわらず、現在の治療に満足していると回答した患者が約6割を占め、目標血糖値を達成することの重要性に対する認識の低さが明らかになった。
また、目標血糖値を達成できていない患者の90.6%が「インスリンを受けたくない」と回答。その理由としては「インスリン注射は最後の手段だと思うから」(54.0%)「毎日注射しないといけないから」(49.1%)「一生注射を続けないといけないと思うから」(44.2%)を上位に挙げ、「怖いから」は5位に挙がった。
一方、医師が、患者が自己注射薬をすぐに受け入れないと思う理由のトップは、「怖い」から(インスリン68.7%、GLP-1受容体作動薬70.7%)だった。これらの結果から、患者は医師が思うほど自己注射を「怖い」と思っていないことが分かった。
インスリンに対する患者の抵抗感が高い一方で、インスリン以外の自己注射薬については「知らない」と答えた患者がほとんど(97.5%)。インスリン以外の自己注射薬を薦められたことがあるのは、目標血糖値を達成できていない患者のうち3.3%のみだったという。
GLP-1受容体作動薬の導入への認識のギャップが浮き彫りに
さらに、インスリン以外の自己注射薬として知られるGLP-1受容体作動薬について、医師が薦めるときに重要と思う項目に「より良い血糖コントロール」(89.5%)「体重増加が起きにくい」(71.4%)「低血糖が起こるリスクが低い」(70.0%)と、医療上のメリットをトップ3に挙げた。
その一方で、目標血糖値が達成できていない患者がGLP-1受容体作動薬での治療を受けてみたいと思うメリットは「血糖コントロールが良くなったら注射をやめられる」(63.9%)「体重が増加しにくい」(59.4%%)「毎日注射しなくても良い」(58.9%)と、QOLやライフスタイルへの影響を重視しており、自己注射薬を導入する際にコミュニケーションのずれが生じる可能性が示唆されたという。
医師は、目標血糖値を達成できていない患者に注射薬での治療を薦めても「すぐには受け入れない」と思う患者は、インスリンで79.1%、GLP-1受容体作動薬で66.3%いると認識している一方で、目標血糖値が達成できていない患者は、GLP-1受容体作動薬についてそのメリットを知ったら治療を「受けてみたい」と53.9%が回答。さらにそのうちの86.6%が「週1回の注射」であれば「受けてみたい」と回答しており、GLP-1受容体作動薬の導入への認識にギャップがあることも分かったとしている。
▼外部リンク
・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース