PGTC発作頻度50%減少達成率を優位に改善
エーザイ株式会社は6月22日、米国子会社のエーザイ・インクが、自社創製の抗てんかん剤「Fycompa(R)」(一般名:ペランパネル水和物)について、「12歳以上の全般てんかん患者の強直間代発作(PGTC)に対する併用療法」の適応拡大に関する承認を、米国食品医薬品局(FDA)から取得したと発表した。
今回の適応拡大の承認は、PGTCを有する患者164人を対象としたプラセボ対照臨床第3相試験(332試験)に基づくもの。同試験においてFycompaは、PGTC発作頻度変化率をプラセボと比較して統計学的に有意に減少させたという。また、PGTC発作頻度50%減少達成率は、Fycompa投与群で64.2%と、プラセボ投与群(39.5%)と比較して統計学的に有意な改善を示した。さらにFycompa投与群では、30.9%の患者において、治療維持期13週間にわたりPGTC無発作状態が維持されたという。
適応拡大により強直間代発作に対する併用療法として使用可能に
同剤は、自社創製のファースト・イン・クラスの抗てんかん剤。グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する高選択的、非競合AMPA受容体拮抗剤だ。米国では、同剤は12歳以上のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法の適応で2012年10月に承認され、2014年1月に発売されている。
強直間代発作は、突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか、その発作頻度は「てんかん患者の予期せぬ突然死(SUDEP: Sudden Unexpected Death in Epilepsy)」の最も重要な危険因子とされ、てんかんの中でも最も重篤な発作型のひとつ。同剤は、今回の適応拡大により、部分てんかん、全般てんかんを問わず強直間代発作に対する併用療法として使用可能となる。
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース