拠点薬局の定義は、患者情報の一元化や、24時間対応・在宅対応など、かかりつけ薬局としての基本的な機能を備えた上で、▽要指導薬、一般薬等の適正な使用に関する助言を行う▽地域住民のファーストアクセスの場として健康に関する相談を幅広く受け付け、必要に応じ、かかりつけ医をはじめ適切な専門職種や関係機関に紹介する▽健康に関する情報提供を積極的に行う――ことなどを例示し、「地域包括ケアの一員として、国民の病気の予防や健康づくりに貢献している薬局」と位置づけた。
厚労省が提示した「かかりつけ薬局と健康情報拠点薬局の関係」では、かかりつけ薬局の機能に上乗せする形で、一般薬・衛生材料の提供や、健康相談応需などによって、病気の予防や健康づくりに貢献する「健康サポート機能」を持つ一方で、抗癌剤や免疫抑制剤などの選択、投与量の調整支援といった「高度薬学管理機能」を備えた薬局を健康情報拠点と位置づけている。
さらに、医療機関との連携を通して、疑義照会や処方提案、副作用・服薬状況のフィードバック、受診勧奨などを行うことを挙げた。
羽鳥裕委員(日本医師会常任理事)は、薬局によっては、薬剤師が頻繁に異動するケースも見られるため、かかりつけ薬局を増やすのではなく、「かかりつけ薬剤師を育てることが望ましい」と指摘。休日・夜間対応についても、「医師だったら、声を聞くだけで患者のことがだいたい想像がつく」とし、「薬局も強い覚悟を持ってほしい。商売優先になってしまうと残念」と述べた。
羽鳥委員は、名称に「拠点」という言葉が使われていることに対しても、「健康情報拠点が薬局である必要は全くない。違和感がある」と主張。厚労省が「関係職種と連携して専門の機関につなぐなど、窓口としての機能もある」と説明すると、羽鳥委員は「拠点ではなく、窓口ぐらいがいいのでは」と提案した。
山口育子委員(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は、かかりつけ薬局の役割を果たしていない薬局もあることを指摘し、健康情報拠点薬局は、「地域の薬局の中でリーダーシップを取る役割を担うことも必要」と述べた。