脳神経系治療薬創製への適用の可能性を検討
JCRファーマ株式会社と大日本住友製薬株式会社は6月17日、JCRファーマが保有する血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)通過に関する技術「J-Brain Cargo」の脳神経系治療薬創製への適用可能性を検討することを目的として、フィージビリティスタディ契約を締結したことを発表した。
J-Brain Cargoは、脳毛細血管の内皮細胞表面に発現しているレセプターを介して、目的とする物質の血液脳関門通過を実現する技術。JCRファーマが実施した実験では、通常の20~100倍の効率で血液脳関門を通過させることができたという。
JCRファーマは、2015年4月14日に実用化第一弾として、血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素「JR-141」(血液脳関門通過型遺伝子組換えイズロネート-2-スルファターゼ)の開発業務に着手した旨を公表。また6月1日には、同技術を活用した医薬品開発を加速する目的で、株式会社新日本科学との業務提携契約の締結を発表していた。
大日本住友製薬が選択する医薬品候補物質を用いて研究協力を実施
この技術は、対象となる高分子から低分子までの薬剤に、血液脳関門通過能を付与できる画期的な技術であり、静脈内投与で十分量の薬剤が脳内に到達して薬効を発揮するため、これまで改善が期待できなかった脳神経症状を伴う病態に対し、大きな改善効果が期待されるという。
今回の契約で両社は、J-Brain Cargoと、大日本住友製薬が選択する特定の医薬品候補物質を用いて研究協力を行い、アンメット・メディカル・ニーズの高い脳神経領域において、革新的な治療薬を創製できることに期待を寄せている。
▼外部リンク
・JCRファーマ株式会社 ニュースリリース