LDLコレステロール低下効果について承認に値する効果を立証と評価
フランスのサノフィ社と米国のRegeneron社は6月9日、米国食品医薬品局(FDA)の内分泌・代謝用薬諮問委員会(EMDAC)が、現在開発中の薬剤「Praluent(R)」(一般名:alirocumab)の承認を勧告したと発表した。
委員の投票結果は、賛成13票、反対3票(棄権なし)で、サノフィとRegeneron社がPraluentの低比重リポタンパクコレステロール(LDLコレステロール)低下効果について、1つあるいはそれ以上の患者集団での承認に値するリスクを上回る効果を十分に立証したと評価した。
今回の委員会の勧告は、6か月から2年にわたる10件の主要な第3相二重盲検試験に参加した5,000人以上の患者における有効性と安全性に関するデータを分析した、Praluentのベネフィット/リスクプロファイルに基づいて得られたもの。この第3相臨床試験であるODYSSEYプログラムから得られた臨床データでは、良好で一貫したLDLコレステロール低下作用が示されたという。また同プログラムでは、Praluentを75mgと150mgの2用量で検討しており、個々の患者のコレステロール低下の必要性に応じて柔軟に用量を設定することが可能だとしている。
米国初のPCSK9を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体製剤に
FDAは委員会の勧告に拘束されないが、この勧告を新薬の審査の際、特に生物製剤承認申請(BLA)を審査する際に考慮の対象にするとされている。PlaluentのBLAは優先審査の対象として受理されており、審査終了目標日は2015年7月24日である。
FDAの承認が得られれば、Praluentは米国初のPCSK9(前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体製剤になると期待されている。なお、欧州医薬品庁(EMA)は、EUにおけるPraluentの販売承認申請を審査中だ。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース