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TNFα阻害薬「セルトリズマブ ペゴル」の国内臨床試験の追加解析結果を発表-アステラスとUCB

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2015年06月17日 PM02:45

2015年欧州リウマチ学会総会で発表

アステラス製薬株式会社とユーシービージャパン株式会社は6月15日、両社が共同開発・商業化を進める、PEG化1TNFα(腫瘍壊死因子α)阻害薬「セルトリズマブ ペゴル」(CZP)(日本での製品名「(R)」、 欧米での製品名「Cimzia(R)」)の日本国内臨床試験「C-OPERA」の追加解析の結果を公表。同内容は、イタリア・ローマで開催された欧州リウマチ学会総会(EULAR 2015)で発表されている。

解析の対象となったC-OPERA試験は、MTX未治療で予後不良因子を有する発症後 1年以内の患者を対象とした、(MTX)併用下におけるCZPの有効性および安全性をMTX単独治療と比較検討した第3相試験。今回の解析の目的は、MTX未治療の早期関節リウマチ患者における1年間の投与において、CZP+MTX投与群がプラセボ+MTX投与群に比べて、どのような因子を持つ患者に有効であるかを見出すことだった。

解析の結果、プラセボ+MTX投与群では、CZP+MTX投与群と比較し、投与開始時の DAS28値、CRP値、mTSS値、HAQ-DI値、及び血清MMP-3値が高い患者において、52週時の骨破壊がより進行していることを確認。また、投与開始時のDAS28値やCRP値が高い場合には、プラセボ+MTX投与群はCZP+MTX投与群と比較して、52週時の臨床的寛解率が低値であることも確認した。一方、CZP+MTX群では、プラセボ+MTX群に比べてこれら疾患の進行リスクが高い患者においても、良好な臨床的改善と骨破壊の進行抑制が認められたという。

MTXとの併用療法が有用であることを示唆

CZPは、世界初のPEG化抗TNF-α抗体医薬品。同剤は、関節リウマチなどの炎症性疾患の発症や悪化に関与するTNF-αに強い親和性を示し、TNF-αの作用を選択的に阻害する。

アステラス製薬とUCBグループは、2012年1月にシムジアの日本における共同開発・商業化契約を締結。同年12月にユーシービージャパンが日本において、既存治療で効果不十分な関節リウマチで製造販売承認を取得し、2013年3月に発売。2015年5月には、関節の構造的損傷の進展リスクが高いと推測される患者に対しては、抗リウマチ薬による治療歴がない場合でも投与できるよう、効能・効果の追加に関する一部変更承認を取得している。

今回の解析結果は、特に疾患の進行リスクの高い患者においては、CZP+MTXの併用療法が有用であることを示唆しており、関節リウマチの進行の予防に寄与することが期待されている。

▼外部リンク
ユーシービージャパン株式会社 ニュースリリース

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