日本化学療法学会総会で同社柴田社長が発表
大幸薬品株式会社は6月11日、研究開始から10年にわたる二酸化塩素に関する研究結果を発表した。この研究結果は、6月4日から6日に開催された「第63回日本化学療法学会総会」のランチョンセミナーにおいて、同社の柴田高社長が「二酸化塩素ガスによるこれからの環境感染対策」というタイトルで発表している。
今回の発表は、大幸薬品の二酸化塩素の研究結果から、学会に参加した医療関係者に向け、低濃度二酸化塩素ガスの活用で可能となる医療施設における衛生管理に主眼を置いたもの。これまで培ってきた基礎研究、有効性・安全性、疫学調査のサマリーをはじめ、インフルエンザウイルス不活化のメカニズム解明、コロナウイルスに対する研究、蚊の忌避剤としての特許、二酸化塩素ガス検知装置の開発、西アフリカ諸国への製品提供などの最新情報も合わせて報告している。
液剤とゲル剤の開発に成功、発生装置や高感度測定センサーも
二酸化塩素ガスは、米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインにガス滅菌として掲載されており、日本では厚生労働省より小麦の漂白処理剤(食品添加物)、日本水道法では飲料水への使用が認可されている。
今回、同社によって二酸化塩素ガスの特性が解明され、その有効性や安全性の研究結果が発表された。また、疫学調査、実生活空間による調査の結果、二酸化塩素ガスを長期間低濃度で発生させるゲル剤設置により、インフルエンザ様疾患の発生を減じることができる可能性が示唆されたという。
同社は、濃度管理が困難なため製品化が難しいとされていた二酸化塩素ガスを特許技術で長期間安定させる液剤とゲル剤の開発に成功。さらに、低濃度の二酸化塩素ガスが発生する装置や、二酸化塩素ガス濃度を精密に測定できる高感度センサーも開発している。
さらに、同社開発の液剤(二酸化塩素ガス溶存液)がマラリアを媒介する蚊を忌避することを解明し、特許を取得したという。同社は今後も、二酸化塩素の安全性、有効性の検証を続け、二酸化塩素を用いた革新的な衛生対策が可能となる社会を目指していきたいとしている。
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・大幸薬品株式会社 ニュースリリース