ランタスと同等の血糖コントロールを維持し、夜間低血糖を減少
フランスのサノフィ社は6月6日、日本人患者を対象とし、「U300」(インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、300U/mL)または「ランタス(R)」(インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、100U/mL)を合計12か月間にわたり投与するEDITION JP 1継続投与試験およびEDITION JP 2継続投与試験(それぞれ1型糖尿病患者、2型糖尿病患者が対象)の結果を発表。U300はランタスと比較して、同等の血糖コントロールを達成し、夜間低血糖の発現率を低下させたという。なお、この結果は、第75回米国糖尿病学会(ADA)で発表されている。
U300は、ベネフィット/リスクプロファイルが十分に確立され、幅広く使用されているランタスと同じ有効成分(インスリン グラルギン)を含有する1日1回投与の次世代基礎インスリン製剤。より長時間にわたって安定した薬物動態学的・薬力学的(PK/PD)プロファイルが得られることが報告されており、皮下に滞留した微細な沈殿物が緩徐に溶解することで、そのプロファイルが得られると考えられている。U300は、「Toujeo(R)」の製品名で、米国食品医薬品局(FDA)、欧州委員会、およびカナダ保健省の承認をすでに取得しており、現在はそれら以外の国々の規制当局で審査中だ。
U300投与群では、体重もわずかに減少
EDITION JP 1試験では、血糖コントロールが不良の日本人1型糖尿病患者において、12か月の試験期間中における夜間低血糖(重症または血糖値70mg/dL以下)の曝露人年当たりの発現件数および1回以上の夜間低血糖を起こした患者数の割合は、両投与群間で同等だった。しかし、より低い閾値(重症または血糖値54mg/dL未満)での夜間低血糖の曝露人年当たりの発現件数は、 ランタス群に比べU300群で38%のリスク低下が認められた。この閾値での1回以上の夜間低血糖を起こした患者数の割合においても、ランタス群に比べ、U300群で21%のリスク低下が認められたという。
また、EDITION JP 2試験では、基礎インスリンと経口血糖降下薬の投与を受けても血糖コントロールが不良の日本人2型糖尿病患者において、夜間低血糖(重症または血糖値 70mg/dL以下)の発現率が低下(12か月の試験期間中に1回以上の夜間低血糖を起こした患者数の割合において、27%のリスク低下)。夜間および1日(24時間)の曝露人年当たりの低血糖発現件数も、U300の方がランタスよりも一貫して低くなった。また、この12か月間に、ランタスの投与を受けた患者では体重が微増したのに対し、U300の投与を受けた患者では、体重がわずかに減少したという。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース