内分泌療法後に疾患進行を認めたHR+ HER2-進行乳がんを対象に
米国のファイザー社は5月30日、同社のPalbociclibに関して、内分泌療法後に疾患進行を認めたホルモン受容体陽性(HR+)ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HER2-)進行乳がんを対象とした第3相試験(PALOMA-3)の結果を発表した。同試験結果は、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)の第51回年次会議のプレス・ブリーフィングで取り上げられ、また、米中央部夏時間の6月1日付けで開催されたセッションで発表された。さらに、「The New England Journal of Medicine」(NEJM)オンライン版でも同時に発表されている。
サイクリン依存型キナーゼ(CDK)4/6経口阻害薬のPalbociclib(製品名:IBRANCE(R))は今年2月、米食品医薬品局(FDA)により、エストロゲン受容体陽性(ER+)HER2-閉経後進行乳がんを対象に、レトロゾールとの併用による一次治療薬として承認されていた。この適応症は、無増悪生存期間(PFS)の結果に基づき迅速承認されたもの。また、この承認取得は条件付きであり、検証試験における臨床的ベネフィットの検証が必要とされていた。
標準治療薬フルベストラントとの併用で優位性を示唆
PALOMA-3(別名A5481023試験)は、多施設共同試験として実施され、世界140か所の治験実施医療機関で521名の患者が参加。その結果、Palbociclibとフルベストラントの併用が、標準治療薬であるフルベストラントに対して優越性を示し、PFSを有意に延長したという(ハザード比0.42、PFS中央値9.2か月vs. 3.8か月、p<0.000001)。また、同試験で、Palbociclibとフルベストラントの併用群において認められた有害事象は、各薬剤の添付文書に記載された有害事象プロファイルと一貫していた。
同社はこの結果を受け、Palbociclibが内分泌療法後に疾患進行を認めたHR+ HER2- 進行乳がんに対して非常に期待できる治療選択肢となることに期待を寄せている。
▼外部リンク
・ファイザー株式会社 プレスリリース