ワクチン事業部門を米国・イリノイ州からマサチューセッツ州に
武田薬品工業株式会社は6月3日、米国・イリノイ州を本拠地としてきたワクチン事業部門「Vaccine Business Unit」について、グローバルおよびリージョナル拠点を設置し、米国におけるワクチン事業運営を統合したと発表した。同拠点では、ワクチン事業のさらなる成長に向け、ノロウイルスワクチン、デング熱ワクチン、季節性インフルエンザワクチンなどの重要なワクチンの開発が加速される予定だ。
画像はリリースより
この統合により、現在イリノイ州にある同ユニットの本部機能は、マサチューセッツ州ボストン/ケンブリッジ地域に移される予定。移転は2年をかけて行われ、2017年半ばに完了する計画だ。今後は、ボストン/ケンブリッジ地域とスイス・チューリッヒが、国外における同ユニットのグローバル拠点となる。リージョナル拠点としては引き続きシンガポールとブラジルが、さらに山口県光市、ノースカロライナ州ダーラム、ドイツ・ジンゲンは、同ユニットの製造拠点として機能していくという。
製造以外の全てのワクチン事業運営の拠点を統合
今回の統合により、米国では、製造以外の全てのワクチン事業運営の拠点も、ボストン/ケンブリッジ地域に移される。これにより、同ユニット内のコミュニケーションおよび連携の強化が期待されるという。また、同地域の優れたバイオベンチャーや製薬企業、優秀な人材にアクセスすることも可能となる。
同体制の発足に伴い、2012年にLigoCyte社の買収によって獲得したモンタナ州ボーズマン、2013年にInviragen社の買収によって獲得したウィスコンシン州マディソン、コロラド州フォートコリンズの、3つの拠点を閉鎖する。
今回の拠点統合により、臨床第3相試験で必要とされる効率的かつ、卓越した事業運営が可能となるとともに、有望なワクチンのグローバルでの製品化に向けてさらなる貢献をしていきたいとしている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース