非オピオイド鎮痛剤で治療困難な各種がん疼痛、慢性疼痛に
日本新薬株式会社とファイザー株式会社は6月2日、経口持続性鎮痛剤「ワントラム(R)錠 100mg」(一般名:トラマドール塩酸塩)の販売を開始したと発表した。同剤は、「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な鎮痛疼痛を伴う各種がん疼痛、慢性疼痛」を効能・効果とし、日本新薬が今年3月に製造販売承認を取得している。
画像はリリースより
トラマドール塩酸塩は、ドイツで合成された中枢性鎮痛薬。現在は世界100か国以上において種々の剤形で販売されている。日本においても、非オピオイド鎮痛薬では治療困難な、がん疼痛及び慢性疼痛を有する多くの患者に使用されている。
1日1回の経口投与で安定した鎮痛効果が持続
今回発売されたワントラム錠は、トラマドール製剤では国内初となる徐放性製剤。既に販売している1日4回製剤のがん疼痛・慢性疼痛治療剤「トラマール(R)カプセル25mg、同50mg」「トラマールOD錠25mg、同50mg」の有効成分であるトラマドール塩酸塩に、アイルランドのエンド社が所有する独自の放出制御技術を適用したものだという。
これまで、日本で販売されているトラマドール製剤は全て即放性製剤だったが、1日に複数回の服用が必要であったため、さらなる服薬ドヒアランスの向上が期待されていた。同剤は、即放性を持つ周辺部分と徐放性を持つ中心部分の二重構造により、即効性と持続性を両立させ、1日1回の経口投与を可能としたという。安定した鎮痛効果が持続することで、長期間にわたって疼痛コントロールが必要な患者にとって、新たな治療選択肢につながることが期待されている。
なお、同剤はトラマールカプセルおよびトラマールOD錠と同様に、販売提携先であるファイザーが単独で販促活動を行い、日本新薬が製造販売元として販売を担当する予定だ。
▼外部リンク
・ファイザー株式会社 プレスリリース