財政制度等審議会は1日、財政健全化計画等に関する建議をまとめた。高齢化によって膨らみ続ける社会保障費の伸びを年0・5兆円の範囲内に抑えるべきとし、具体的な歳出改革策として、後発品の数量シェアを現行の「2017年度内に60%」から80%以上に引き上げる新たな目標を設定し、そのための措置をとるよう求めた。
建議では、社会保障関係費について、いわゆる「自然増」には、診療報酬の薬価部分について市場実勢価格を上回る過大要求があることや、診療報酬本体において高齢化による影響以外に「医療の高度化等」と称して様々な要素の伸びが織り込まれていると指摘。
その上で、歳出の伸びは、真にやむを得ない「高齢化による伸び」に相当する範囲に抑制すべきとし、公的保険給付範囲の見直しや、医療提供体制の改革、予防の推進などの効率化に幅広く取り組むことを求めた。
後発品の目標値引き上げについては、今夏の時点で政府としてコミットすることにより、予見可能性を高めて「後発品メーカー等の生産体制の円滑な構築のための設備投資を促すことが適切」とした。また、後発品の薬価に基づき、保険償還額を設定する「参照価格制度」を18年度から導入することも求めた。
調剤報酬については、医薬分業進展の影響を除いても伸びが大きく、院内処方と院外処方の報酬の水準の違いを含め、薬局が果たしている機能に照らして調剤技術料が適正かどうか、薬局の収益率も踏まえて、見直す必要があると指摘した。
湿布や目薬、ビタミン剤、うがい薬などの市販品類似薬については、公的保険から完全に除外すべきとした。