行政改革推進会議の「歳出改革ワーキンググループ重要課題検証サブ・グループ」は5月29日、後発品の使用促進策に関する現状と今後の課題について、引き続き関係者からヒアリングを行った。日本製薬工業協会は、「後発品の使用促進の目標値、目標期間の設定に当たっては、新薬創出への影響を考慮すべき」と主張。委員からは「特許期間中に新薬への投資を回収すべきで、長期収載品に収益を頼るのは本末転倒」と厳しい意見が出た。
製薬協は、先発品と後発品メーカーのコスト構造の違い等を説明。昨年4月以降、後発品の使用促進が研究開発型製薬企業の経営に大きな影響を与えていると訴え、「後発品の使用促進の目標値等の設定に当たっては、新薬創出への影響を考慮すべき」と主張した。
委員からは「先発品メーカーは、特許期間中に新薬への投資を回収するよう臨むべきだ。メーカーの収益を長期収載品に頼るのは本末転倒」と厳しい指摘があった。製薬協は、「特許期間中に回収するビジネスモデルは基本」としつつ、「収益を長期収載品に頼っているメーカーはまちまちで、売上高に占める割合が10%程度から80%を超えるところまである。ビジネスモデルを転換している最中に、後発品の使用促進の方針を急に変えられると、うまく適合できずに経営が苦しくなるメーカーが出てくるかもしれない」と理解を求めた。
また日本薬剤師会は、後発品の品目数が多すぎるとの指摘に対し、「改善の余地がある」と応じ、「後発品メーカーが共同開発した製品について、それぞれのメーカーが販売するため、流通コストや間接経費が割高になり、安価なメリットが削がれてしまっているのではないか」と問題意識を示した。
今回の会合でヒアリングが一巡し、次回以降、論点整理に入る。