「Sabril(R)」の製品名で、50か国以上において販売
サノフィ株式会社は5月27日、アルフレッサ ホールディングス株式会社の子会社で医薬品等製造事業を行うアルフレッサ ファーマ株式会社と共同開発中の抗てんかん薬 「ビガバトリン」(一般名:γ-アミノ酪酸(GABA)分解酵素阻害剤)について、厚生労働省に点頭てんかんを効能・効果とする製造販売承認申請を行ったと発表した。なお、同剤のプロモーション活動ならびに販売はアルフレッサ ファーマが実施し、製品の供給はサノフィが行う。
ビガバトリンは、1989 年に英国で抗てんかん薬として最初に承認され、英国の治療ガイドラインでは、点頭てんかんの第一選択薬のひとつに位置付けられている。日本においては 1990年代に抗てんかん薬として開発が行われたが、海外での不可逆性の視野狭窄の副作用の報告を受け、開発が中止されていた。米国では、同様に視野狭窄が問題視されたが、最終的にリスクベネフィットの観点から2009年に承認され、点頭てんかんや難治性のてんかんの治療薬として厳格な管理下で使用されている。ビガバトリンは、「Sabril(R)」の製品名で、50か国以上において販売されている。
小児期の稀な難治性のてんかん「点頭てんかん」
ビガバトリンは、欧米での治療ガイドラインにおいて、点頭てんかんに対する数少ない治療薬の一つとして位置づけられている。しかし、日本においては未承認薬であるため、個人輸入により治療に用いられてきた。
こうした背景から、関連学会の要望に基づき2010年に厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において評価がなされ、リスクベネフィットの観点から、医療上の必要性が高い薬剤としてサノフィが開発要請を受諾。サノフィとアルフレッサ ファーマは、点頭てんかん患者を対象とした臨床試験を日本で実施し、海外のデータに日本人でのエビデンスを加え、製造販売承認申請を行ったという。
今回、効能・効果となった点頭てんかんは、小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患であり、小児期の稀な難治性のてんかん。攣縮(スパズム)、精神運動発達遅滞、ヒプスアリスミアと言われる脳波異常が特徴で、発生率は出生10,000件に対して2~5人と推定されている。
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース