塩崎恭久厚生労働相は26日の経済財政諮問会議で、プライマリケアを強化するため、2025年をメドに全国5万7000軒の保険薬局をかかりつけ薬局に再編することを目的とした「患者のための薬局ビジョン」を年内に策定し、公表することを明らかにした。
ビジョンは、「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へを副題とし、▽立地から機能へ▽薬中心から患者中心へ▽バラバラから一つへ――を柱テーマに据え、「24時間・在宅対応」「処方提案」「情報の一元的管理」「残薬解消」「重複投薬防止」などの具体例を示した。
年内に策定するビジョンに基づいて、「医薬分業の原点に立ち返り、5万7000の薬局全てを患者本位のかかりつけ薬局に再編」するための施策を進め、25年までに地域包括ケアシステムの構築と医療介護サービス体制の改革につなげる。
この日の会議で、民間議員からは、薬局の再編だけでなく「薬局数を半減させるなどの目標も検討課題」との意見が出た。これに対し、塩崎厚労相は「5万7000軒の薬局全てを残すわけではない」と応じた。
また、既に厚労省が21日の規制改革会議健康・医療ワーキンググループに提示している資料をもとに、塩崎厚労相がかかりつけ薬局の普及を促し、門前薬局からの移行を推進する考えを改めて示した。
患者がかかりつけ薬局のメリットを実感できるような調剤報酬体系にするため、▽在宅での服薬管理・指導や24時間対応など、地域のチーム医療の一員として活躍する薬剤師への評価▽かかりつけ医と連携した服薬管理に対する評価▽処方薬の一元的・継続的管理に対する評価▽薬剤師の専門性を生かした後発品の使用促進に対する評価▽いわゆる門前薬局に対する評価の見直し――などを軸に、次期改定以降、数回にわたる改定で対応するよう、中央社会保険医療協議会で具体的に検討すると説明した。