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下痢型過敏性腸症候群治療剤「イリボー錠」の効能・効果を追加承認-アステラス製薬

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2015年05月28日 PM03:00

女性における下痢型過敏性腸症候群を追加

アステラス製薬株式会社は5月26日、下痢型過敏性腸症候群治療剤「(R)錠2.5μg、同5μg/イリボーOD錠2.5μg、同5μg」(一般名:ラモセトロン塩酸塩)について、女性における下痢型過敏性腸症候群に関する効能・効果追加の承認を取得したと発表した。

過敏性腸症候群は、器質的疾患を伴わず、腹痛・腹部不快感と、下痢、便秘などの便通異常を主体とし、それらの消化器症状が長期間持続もしくは悪化・改善を繰り返す機能性疾患。この疾患による便通異常や腹部症状は、ストレスなどの種々の病因によって引き起こされ、最終的には腸管神経の過度の活性化に伴う消化管運動亢進によって生ずると考えられている。

便通異常を引き起こす5-HT3受容体を選択的に阻害

両剤は、同社が創製したセロトニン5-HT3受容体拮抗剤。セロトニンは、消化管の運動に大きく関係する神経伝達物質の1つであり、ストレスなどによって遊離が促進され、腸管神経に存在する5-HT3受容体を活性化することにより、便通異常を引き起こすとされてきた。また、腸が受けた刺激によってもセロトニンが遊離し、求心性神経終末の5-HT3受容体に結合して、脳に痛みを伝える。

両剤は、この5-HT3受容体を選択的に阻害することで、消化管運動亢進に伴う便通異常を改善し、大腸痛覚伝達を抑制して、腹痛及び内臓知覚過敏を改善することが期待されている。

同社は2008年10月に、国内において、「男性における下痢型過敏性腸症候群」を効能・効果として「イリボー錠」を発売。さらに2014年1月には、口腔内崩壊錠「イリボーOD錠」を同適応症にて発売していた。今回の承認により効能・効果は「下痢型過敏性症候群」となった。

▼外部リンク
アステラス製薬株式会社 ニュースリリース

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