今年度の薬科大学・薬学部の入学定員数は14年度に比べて増加した。これは横浜薬科大と立命館大の2校で4年制学科を新設、九州保健福祉大の4年制学科の定員増加によるもの。横浜薬科大では6年制学科を360人から340人に20人削減する一方で4年制学科(薬科学科:30人)を新設、全体で10人増。立命館大も4年制学科(創薬科学科:60人)を新設し、全体で60人増。また、九州保健福祉大は4年制学科(動物生命薬科学科)を30人から40人に増員し、全体で10人増と、合計で80人増加した。これによって薬学系の4年制学科を併設するのは31校に達した。
定員数を学科別で見ると6年制学科は1万1445人(対前年度10人減)、4年制学科は1488人(100人増)だった。6年制に限って見ると昨年度も前年度に比べ40人減であり、減少傾向に歯止めはかかっていないようだ。
入学者数は国公立大学系を中心に少なくとも初年度に科別の入学者数が確定しない北大、東北大、東大など8校を除くと、6年制は1万1175人(14年度1万1591人)、4年制は1151人(1147人)となった。6年制が前年度に比べ416人減少し、4年制が若干名増加した。
6年制と4年制を合わせた入学者総数は、11年度以降、総合入試制度の導入により初年度の学部入学者数が確定しない北大、3年次に学部振り分け、さらに4年次に学科振り分けを行う東大を除くと1万3070人となった。前年度が定員に対する入学者数が106・4%だったのに対し、今年度は102・3%となり、全体としては入学者数の適正化が進んだ。
ただし、大学別にはバラツキがある。日本私立薬科大学協会では、定員に対する入学者数を10%以内に収めるとの取り決めを交わしているが、全大学で今年度10%を超えたのは9校だった。前年度は21校あったが改善が進んだといえる。20%超は2校で前年度より1校減少した。20%超は千葉科学大(定員160人、123・8%)、城西国際大(130人、127・7%)だった。実数で30人を超えたのは9校、このうち50人を超えたのは城西大(定員300人、117・0%)だった。一方で、定員割れをしたのは16校で前年度より5校増加した。このうち前年度に“超過”したが、今年度“定員割れ”したのが半数を超す9校あり、2年連続して大きく定員割れした薬大は少ない。なお“定員充足率”が8割を切ったのは5校(前年度1校)で、さらに7割を切ったのは、青森大66・7%(定員90人、入学60人)、奥羽大61・4%(140人、86人)、北陸大49・9%(306人、151人)の3校だった。