抗梅毒トレポネーマ・パリーダム抗体を検出
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は5月21日、血清または血漿中の抗梅毒トレポネーマ・パリーダム抗体(抗TP抗体)を検出する「エクルーシス 試薬 Anti-TP」を6月12日に発売すると発表した。
画像はリリースより
梅毒の診断には、血中の病原体に対して産生される抗体を測定する免疫血清検査が用いられるが、免疫血清検査にはカルジオリピン-レシチンというリン脂質を抗原とする脂質抗体検査と、TPを抗原とするTP抗体検査がある。
脂質抗体検査は治癒とともに陰性化するため治療効果判定に有用だが、梅毒の病原体とは直接関係のないリン脂質を抗原としているため梅毒以外の疾患でも陽性となることがある。一方、TP抗体検査はTPそのものに対する抗体を検出するが、梅毒に一度感染すると治癒後も陽性反応が継続するため、梅毒の既往について確認できるため、梅毒感染の診断は、脂質抗体検査とTP抗体検査を組み合わせて進められる。
微量検体による迅速自動測定を可能に
TP抗体検査であるエクルーシス試薬Anti-TPは、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とする同社の自動分析装置用の専用試薬。測定に用いる検体量は10μL/テストと微量なうえ、約18分という短時間測定となっている。また、用時調整不要の液状カセット試薬で、開封後28日間、自動分析装置上で安定性を保つことができるという。さらに、TpN15、TpN17、TpN47リコンビナント抗原を使用し、高い特異性を実現している。
対応機種は、既に発売済みの「コバス e 411」、「コバス 6000」、「コバス 8000」、「モジュラーアナリティクス」、および「エクルーシス 2010」。これらの分析装置を用いて、自動測定が可能だ。
今回の発売により、同社がすでに展開している腫瘍マーカー検査、ホルモン検査、循環器マーカー検査などに加え、感染症検査のラインナップが強化。大学・基幹病院や検査センターでの用途の幅がさらに広がり、検査の効率化に貢献できると同社は述べている。
▼外部リンク
・ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社 プレスリリース