2020年の東京五輪に向け、受動喫煙防止対策を求める
日本学術会議は5月20日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、公共の場での受動喫煙防止対策について、日本学術会議健康・生活科学委員会・歯学委員会合同脱タバコ社会の実現分科会の審議結果を取りまとめ、東京都に対して公共の場での受動喫煙を防止するための法整備(条例化)を行うよう求めた緊急提言を発表した。
画像はリリースより
日本は2004年に「たばこの規制に関する世界保健機構(WHO)枠組条約」(FCTC)を批准、FCTCは翌年より発効している。2007年には履行のためのガイドラインが策定され、職場や公共の場での全面禁煙を法的措置によって実現することが求められている。また、国内では2012年には喫煙率の減少と受動喫煙曝露機会の減少等を定めた「第2期がん対策推進基本計画」が閣議決定されているが、中間評価ではこれらの達成状況が不十分であることが明らかになっている。
近年すべての五輪開催都市で、罰則付きの条例などが整備
2010年7月には、国際オリンピック委員会(IOC)とWHOが、健康的なライフスタイルとタバコのないオリンピックを目指す合意文書にも調印。近年、すべてのオリンピック開催都市では、罰則付きの条例や受動喫煙防止法が整備され、さらに国レベルの法整備にまで発展している国も多い。その中で同提言では、東京都が受動喫煙を放置したままオリンピックを開催することは、世界のたばこによる健康障害防止の流れを阻害するものと指摘している。
同提言では、飲食店従業員をはじめ、やむなくタバコ煙にさらされている人は多く、受動喫煙を防止するための法制度を早急に作る必要性を重んじている。オリンピックの開催都市は、法律や条例で公共の建物内の喫煙を禁止することが近年では国際的に共通認識となっており、この点を最重要事項と考えるべきであるとし、東京都は速やかに公共の場での受動喫煙を防止するための法整備(条例化)を行うよう求めている。
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