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統合失調症治療薬「エビリファイ」、新剤形となる持続性注射剤を国内発売-大塚製薬

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2015年05月22日 PM01:00

服薬不良と判断された患者の割合は57%との報告も

大塚製薬株式会社は5月20日、世界60か国・地域で販売されている「」(一般名:アリピプラゾール)の新剤形となる持続性注射剤「(R)持続性水懸筋注用300mg、400mg、及び300mgシリンジ、400mgシリンジ」の2つの規格を、統合失調症の効能・効果で5月25日から国内で発売することを発表した。2つの規格とは、バイアル製剤(凍結乾燥製剤)と薬剤の調製操作が簡便な製剤であるプレフィルドタイプ(凍結乾燥製剤と注射用水を1本の注射器に入れたキット製品)となる。


画像はリリースより

統合失調症患者は国内に約71万人と推定されているが、病識の欠如や認知機能障害などの問題のため、他の慢性疾患に比べても服薬の継続が難しく、統合失調症や統合失調感情障害を対象とした調査では、服薬不良と判断された患者の割合は57%との報告もある。

また、経口・錠剤投与の場合、アドヒアランスは退院後1週目から低下が目立つことや退院時から良好患者の割合が徐々に低下し、6か月後に服薬不良となる患者は4割以上にものぼるとの報告もある。主な服薬中断の理由として、飲み忘れ、病識の欠如、副作用、服薬方法が複雑であること、家族から十分な支援が得られないことなどが挙げられている。

4週間に1回の投与で患者への負担を軽減

今回発売となるエビリファイ持続性水懸筋注用は、1回の投与で4週間効果が持続する注射製剤(LAI)。2013年3月から米国で発売され、欧州19か国、カナダ、オーストラリアに次いでの国内発売となる。4週間に1回の持続性注射剤は、薬剤の投与が確実であり、来院回数を減らすなど患者の負担を軽減し、統合失調症の再発予防及び良好な予後に貢献できるものと期待が寄せられる。

藤田保健衛生大学精神科神経科学講座の岩田仲生教授は、プレスリリース内で、

「アリピプラゾール持続性水懸筋注用は、4週間に1回の投与で、錠剤と同様に精神症状を悪化・再発させることなく、長期にわたり精神症状を安定・維持できることが確認されました。アリピプラゾールは、これまでも優れた有効性と安全性のバランスから、統合失調症治療における有用性が示されてきました。新たにLAIが発売されることで、さらなるアドヒアランスの向上が期待でき、統合失調症患者さんのリカバリー実現の可能性を高めると考えられます。今後、この注射剤の適正な使い方が国内で広がり、新たな治療選択肢となることを期待しています」

と述べている。

▼外部リンク
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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