ワクチンによるIMDの予防が日本でも可能に
サノフィ株式会社は5月18日、4価髄膜炎菌ワクチン(ジフテリアトキソイド結合体)「メナクトラ(R)筋注」を発売したことを発表した。
メナクトラは、髄膜炎菌(血清型A、C、Y及びW-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD:Invasive Meningococcal Disease)を予防するワクチン。2005年の米国での発売以来、世界55の国と地域で承認され、およそ7000万ドーズ以上が供給されている。
IMDは、日本での発症数は少ないものの、急速に進展し、時として発症から24~48時間以内に患者の5~10%が死に至る、重篤性の高い疾患だ。初期症状は、発熱、頭痛、嘔吐などの風邪の諸症状に似ていることから早期診断が難しいとされ、数時間の治療の遅れが致命的な経過につながることがある。また、適切な治療を受けた場合にも、11~19%の割合で難聴、神経障害、手足の切断など生涯続く後遺症が残ることが報告されている。誰でも髄膜炎菌に感染するリスクがあるが、日本国内の疫学調査では、0~4歳と15~19歳に発症のピークが見られている。
情報サイトでIMDの啓発活動を推進
IMDの国内における認知度は低く、一般的な情報も限られているのが現状だ。そこで、サノフィは2014年4月に「IMD情報センター」(www.imd-vaccine.jp)を立ち上げ、IMDのリスクと予防の重要性を知らせるための啓発活動を進めている。
今回のメナクトラの発売により、日本でもIMDがワクチンで予防できる疾患となった。同剤が、国内のハイリスク者および、流行国・地域への渡航者などのIMD発症リスクの低減に貢献できるものと、同社は期待を寄せている。
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース