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VAP-1阻害剤を用いた糖尿病眼合併症治療薬の開発について共同研究を実施-アールテック・ウエノと北大

読了時間:約 1分25秒
2015年05月20日 PM01:00

糖尿病眼合併症を最優先ターゲットにVAP-1阻害剤の開発を加速

株式会社アールテック・ウエノは5月18日、北海道大学大学院医学研究科眼科学分野の石田晋教授、野田航介准教授らのグループと、同社が開発中の新規VAP-1阻害剤(開発コードRTU-1096)の糖尿病網膜症および糖尿病黄斑浮腫治療薬としての開発に関する共同研究を実施することを発表した。

RTU-1096は抗炎症作用や免疫調節作用を有するVAP-1阻害剤であり、現在国内で第1相臨床試験を実施している。今回の共同研究は、今後のPOC(Proof of Concept、概念実証)試験(または前期第2相臨床試験)に向けて、RTU-1096の糖尿病網膜症および糖尿病黄斑浮腫などの糖尿病眼合併症に対する臨床応用の可能性を検証するために、北海道大学においてRTU-1096の治療効果を確認する試験を実施する。

抗VEGF治療薬とVAP-1阻害剤の併用目指す

現在、糖尿病黄斑浮腫の治療は、光凝固術、ステロイド注射(眼内、テノン嚢内)、硝子体 手術が行われており、また最近では抗VEGF治療薬の眼内注射が中心になってきた。しかし、再発を繰り返すので年間に多くの抗VEGF治療薬の注射が必要となり、薬価が非常に高いため医療費の増大の一因となっている。そこで医療現場では抗VEGF治療薬の注射を優先的に行い、さらに光凝固術やステロイド注射を併用することで、抗VEGF治療薬の注射回数をいかに少なくするかといった臨床研究が盛んに行われているのが現状だ。

糖尿病患者は血中VAP-1活性が特徴的に増加しており、合併症発症の原因の1つとされている。現在同社が開発しているVAP-1阻害剤RTU-1096は、血中のVAP-1活性を抑制することで治療効果を発揮するという。将来的には糖尿病黄斑浮腫の治療において、抗VEGF治療薬の眼内注射と、経口剤である同阻害剤を併用することも可能になるのでは、と同社は述べている。

今回、同社は、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性で積極的な基礎研究と臨床研究が行われている北海道大学大学院医学研究科眼科学分野と共同研究を実施することにより、同阻害剤での効果的な治療法の開発を推進。同大学病院を中心にPOC試験(前期第2相臨床試験)の開始を目指すとしている。

▼外部リンク
株式会社アールテック・ウエノ プレスリリース

 

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