厚生労働省は、C型慢性肝炎に対するソホスブビル(製品名:ソバルディ)とリバビリンとの併用療法を、医療費助成の対象とすることを決めた。インターフェロンを必要としないソバルディ併用療法に対し、治療期間の12週間まで1人1回のみ医療費を助成する。これにより、患者負担は最大でも8万円程度で済む見通し。18日に開いた肝炎治療戦略会議で了承された。
ソバルディは、リバビリンとの併用により、ウイルス血症を改善するC型慢性肝炎治療薬。きょう20日付で薬価収載、保険適用となる。400mg錠が1錠6万1799円、3カ月の内服で薬剤費が約550万円かかるが、医療費助成により、患者負担は月1~2万円程度で済むことになる。
医療費助成の対象となるのは、肝癌を合併していないジェノタイプ2型のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変で、インターフェロンフリー治療に対する助成回数は、患者1人当たり1回とされた。同療法の助成対象となる治療期間は、ソバルディの用法・用量である12週間とされた。
医療費助成は、患者の世帯の住民税額が年間23万5000円未満の場合は、1カ月の自己負担限度額を原則1万円、住民税額が年間23万5000円以上の場合は、原則2万円に軽減するというもの。ソバルディによる治療は、保険適用で3割負担としても、治療期間である3カ月の薬剤費だけで約180万円程度掛かるが、今回の医療費助成により、所得の高い患者でも最大で8万円程度、所得の低い患者では3万円程度の自己負担で済む。
厚労省は、2014年度補正予算で「インターフェロンフリー治療特別促進事業」の費用として35億円、15年度予算で「肝炎治療促進のための環境整備」として、C型肝炎患者の医療費自己負担を軽減するための費用に86億円を計上しているが、ソバルディ併用療法への医療費助成は、14年度補正予算の繰り越しにより対応するとしている。
現在、C型肝炎ウイルスに感染しているにもかかわらず、医療機関を受診していない患者が非常に多いといわれている。ソバルディによる治療は1日1回、3カ月の経口投与で済むため、
インターフェロン治療を足踏みしていた患者には朗報になる。