難治性川崎病に対して希少疾病用医薬品に指定
田辺三菱製薬株式会社は5月15日、抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「レミケード(R)点滴静注用100」(一般名:インフリキシマブ)について、川崎病の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項の一部変更承認申請を行ったことを発表した。
レミケードは、世界初の抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤。1991年より欧米において臨床試験が開始され、1998年にクローン病治療薬として発売された。以来、すでに米国、欧州など100か国以上でクローン病、関節リウマチ、乾癬、強直性脊椎炎および潰瘍性大腸炎などの治療薬として使用されている。
国内では、2002年1月にクローン病が承認。その後2003年7月に関節リウマチ、2007年1月にベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、2010年1月に乾癬、2010年4月に強直性脊椎炎、2010年6月に潰瘍性大腸炎などの適応症がそれぞれ追加承認されている。
希少疾病を含めた各種難病に対する適応症の拡大を推進
川崎病は主に4歳以下の乳幼児にみられる原因不明の急性の発熱性疾患で、その病態の主体は中小動脈を中心とした血管炎症候群だ。主要症状として5日以上続く発熱、両側眼球結膜の充血、口唇の紅潮などが挙げられ、冠動脈拡張や動脈瘤などの合併・後遺症を引き起こすこともある。
田辺三菱製薬は、既存治療に効果不十分な川崎病患者を対象とした国内臨床試験を実施。レミケードの有効性ならびに安全性が確認されたことから、適応追加の承認申請を行ったという。なお、同剤は、難治性川崎病に対して希少疾病用医薬品に指定されている。
同社はアンメット・メディカル・ニーズに応えるため、希少疾病を含めた各種難病に対するレミケードの開発と適応症の拡大に取り組んでいるという。現在は、腸管型、神経型、血管型それぞれのベーチェット病についての承認を申請中だ。今後も同剤の適正使用推進ならびに市販後調査による安全性・有効性情報の収集を徹底し、安心して使用できる販売体制の構築に努めたいとしている。
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・田辺三菱製薬株式会社 ニュースリリース