約3分の1の患者が直近3か月以内に低血糖を経験
サノフィ株式会社は5月15日、糖尿病患者707名を対象に行ったインターネット調査の結果を公表した。今回の調査では、インスリン治療における低血糖リスクと血糖コントロールの2点に着目。患者の日常におけるインサイトを明らかにし、「インスリン-ライフ・バランス」の実現へ向けたアンメットメディカルニーズを探ったという。
画像はリリースより
調査結果によると、直近3ヵ月以内において、低血糖を起こしたことがある人は33.4%。基礎インスリンの使用開始以来、午前から夜にかけての日中低血糖を起こしたことがある人は47.0%、夜中から早朝にかけての夜間低血糖は26.6%だった。 加えて、低血糖を起こした場合、経験者の43.9%が「必ずしも医師へ話さない」と回答したことから、医師も把握していない潜在患者の存在が示唆されたという。
低血糖リスクの懸念による過剰な“補食”が治療やQOLに悪影響
低血糖の発症時の対処法や予防のために何かを飲んだり食べたりすることを「補食」と言うが、調査では補食をしている患者のうち、48.0%は血糖コントロールが不安定になったと感じ、53.5%は体重増加にも影響すると考えていた。さらに、患者にとっては補食することそのものがストレスへつながっており、47.2%がストレスを感じると回答。低血糖を予防するための行為そのものが治療への悪影響だけでなく、患者のQOL低下へつながっていることも懸念される。
今回の調査では、インスリン使用者の82.6%が医師から血糖目標値を聞いていた。しかし、血糖値のコントロールが出来ている人は46.4%と半数以下にとどまっており、目標を立てながらもそれが実現できていない現状が浮き彫りとなった。今後登場する新規のインスリン製剤への期待については、「血糖コントロールが改善される」ことが76.5%と最も高く、次が「針の痛みが少ないこと」(42.6%)であり、最も期待することでは「長期の安全性」が血糖改善効果に次いで2位に挙げられていた。
近年、さまざまな新規インスリン製剤が登場したことにより、積極的な治療が可能となった一方、それに伴う低血糖リスクの増加が未だ課題として懸念されている。サノフィは、血糖コントロールとともに、さまざまな制限が生じる中でも健康な人と変わらない暮らしへ近づける「インスリン治療と日常生活の調和」(インスリン-ライフ・バランス)」の必要性が高まっていると報告している。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース