医療IT事業拡大へ向け、100%子会社に
富士フイルム株式会社は5月13日、米国の販売子会社 FUJIFILM Medical Systems U.S.A, Inc.を通じて、米国医療ITシステムメーカーのTeraMedica, Inc.(テラメディカ社)の買収を完了し、米東部時間5月11日から富士フイルムグループの100%子会社として新たにスタートしたと発表した。
画像はリリースより
テラメディカ社は、2001年に設立され、医用画像情報システム(PACS)の診断画像や各種動画など病院内の各診療科が扱う広範な診療情報を効率的に管理・保管するアーカイブシステムを提供している。
近年、病院ではCTやMRIなどで撮影した診断画像、内視鏡検査や手術時に撮影する動画など、さまざまな診療情報が診療科ごとに異なったシステムで管理されており、これらの診療情報を一元的に管理し、患者ごとに一覧できるシステムが求められている。こうした中、異なるメーカーのPACSや各臨床部門システムに管理されている多様な診療情報を一括して管理できるアーカイブシステム「Vendor Neutral Archive」(VNA)が注目され、欧米を中心に普及が進んでいる。
診療情報の連携システムを構築し、地域医療連携の促進を図る
テラメディカ社は、米国でトップクラスの医療体制を誇る大手病院Mayo Clinicの協力の下にVNAを開発。2003年から米国での販売を開始し、VNAの先駆者として市場をリードしてきた。
同社のVNAは、その優れたシステム設計と拡張性が高く評価され、2014年にVNA分野で「Best in KLAS awards」を受賞。Mayo Clinicをはじめ米国約200の病院、全世界で合計300以上の病院へ導入されている。
富士フイルムは、2013年より米国においてテラメディカ社と販売提携を行い、VNAの導入を進めてきた。今回、テラメディカ社を子会社化することにより、同社は病院内のデジタル化された広範な診療情報を一括管理できるVNAの導入をより加速。病院間の診療情報を連携させるシステムを構築することで、地域医療連携の促進を図っていくとしている。
▼外部リンク
・富士フイルム株式会社 プレスリリース