再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫の臨床第3相試験を中止
武田薬品工業株式会社は5月13日、オーロラAキナーゼ阻害薬「alisertib」(開発コード:MLN8237)について、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫の臨床第3相試験を中止すると発表した。
alisertibは、小細胞肺がんを対象とした、同社が開発中の経口の選択的オーロラAキナーゼ阻害薬。オーロラAキナーゼは、細胞分裂に重要な役割を果たし、多くのがん細胞において過剰に発現することが知られている。
小細胞肺がんに対しての有用性は引き続き検討
今回の決定は、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫を対象とした同試験の中間解析結果に基づくもの。試験から得られたデータを慎重に検討した結果、同薬が標準治療に勝る有効性を示す可能性が低いと判断したという。同社は、引き続きalisertibの小細胞肺がん(SCLC)に対する有用性の検討を継続するとしている。
同社Oncology Therapeutic Area Unit HeadのMichael Vasconcelles氏はニュースリリースで、
「当社は、長期間にわたり、革新的ながん治療薬の開発に努めてまいりました。再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫を対象とした本薬の開発を中止することを残念に思います。SCLCを対象とした本薬の開発には大いに期待しています」
と述べている。
同試験に参加し、alisertibの治療効果が出ていると思われる患者は服用を続けることができる。また同試験において、安全性に関する懸念は出ていない。
▼外部リンク
・武田薬品工業株式会社 プレスリリース