オーファン指定を受けている新規の経口プロテアソーム阻害薬
武田薬品工業株式会社は5月12日、新規経口プロテアソーム阻害薬「ixazomib」(一般名、開発コード:MLN9708)について、一次治療に奏効が認められ、自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、国際共同臨床第3相試験(TOURMALINE-MM4試験)を開始したと発表した。
ixazomibは、多発性骨髄腫やALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬。同薬は米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受け、再発・難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシス治療薬として、2014年に米国食品医薬品局(FDA)からBreakthrough Therapyの指定を受けている。
また、同薬は臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬であり、現在、5つの国際共同臨床第3相試験が実施されているという。
ASCTを受けていない患者へixazomibの維持療法の役割を検証
今回の試験は、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植(ASCT)を受けていない初発の多発性骨髄腫を対象に、ixazomibの維持療法の役割を検証する試験で、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同国際試験としてデザインされている。主要評価項目はixazomib群とプラセボ群の無増悪生存期間(PFS)の比較。同試験は、初発の多発性骨髄腫を対象に、ASCT後の維持療法を検証する、現在実施中の国際共同臨床第3相試験(TOURMALINE-MM3試験)を補完する試験になるという。多発性骨髄腫に対するプロテアソーム阻害は確立された作用機序であり、長期間の継続治療は、多発性骨髄腫の標準治療になりつつある。
この試験は、ixazomibの国際共同臨床第3相試験プログラムの5つ目にあたる。同プログラムでは多発性骨髄腫におけるさまざまなラインセッティングや、患者数は少ないものの重篤な形質細胞性疾患である再発・難治性のALアミロイドーシスに対する評価などが行われている。
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・武田薬品工業株式会社 ニュースリリース