医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 低酸素性虚血性脳症の新生児へのさい帯血幹細胞治療について臨床研究を開始-大阪市大

低酸素性虚血性脳症の新生児へのさい帯血幹細胞治療について臨床研究を開始-大阪市大

読了時間:約 53秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年05月14日 PM01:00

新生児のHIE治療にさい帯血幹細胞を移植する再生医療を実施

大阪市立大学は5月12日、出産時に起きる脳性まひの主な原因である「新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)」について、さい帯血に含まれる幹細胞を用いて治療を行う国内初の臨床研究を開始したと発表した。この研究は、同大学医学研究科発達小児医学分野の新宅治夫教授らと、他10機関でつくる共同研究グループによるもの。

今回の研究開始に先立ち、同研究グループは2014年8月26日に厚生労働省で記者会見を行い、根本的な治療法がなく、病態解明、予防・治療法開発が必要とされているHIEの新生児に、さい帯血幹細胞を移植することで、損傷した細胞や血管を再生させる医療についての臨床研究を始めることを発表していた。

日本初の臨床試験、1人目の経過は順調

HIEの新生児に対するさい帯血幹細胞治療は、米国Duke大学の医師より、その症状に劇的な改善が見られる症例があることが報告されていた。その症例を機に、米国をはじめ世界中で新生児HIEに対する幹細胞治療の臨床試験が行われ始めたが、日本ではまだ行われていなかった。

今回、1人目の治療を4月28日に岡山県の倉敷中央病院で実施したが、現在のところ経過は順調だという。この臨床研究は全国6病院で行う予定で、今後6例の実施を想定している。

この臨床研究開始により、周産期脳障害に対する有効な治療法の開発が望まれている。

▼外部リンク
大阪市立大学 ニュースリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大
  • 糖尿病管理に有効な「唾液グリコアルブミン検査法」を確立-東大病院ほか
  • 3年後の牛乳アレルギー耐性獲得率を予測するモデルを開発-成育医療センター
  • 小児急性リンパ性白血病の標準治療確立、臨床試験で最高水準の生存率-東大ほか
  • HPSの人はストレスを感じやすいが、周囲と「協調」して仕事ができると判明-阪大