EU加盟28か国、アイスランド、リヒテンシュタインとノルウェーで適用
仏サノフィ社は4月28日、欧州委員会(EC)が1型および2型糖尿病の成人患者の治療薬として、次世代基礎インスリンの「Toujeo(R)」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、300 U/mL)の製造販売を承認したことを発表した。
欧州での承認は、EU加盟28か国、アイスランド、リヒテンシュタインとノルウェーに適用される。今回の承認は、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が2015年2月26日に採択した肯定的見解を受けて行われたという。
Toujeoは、ベネフィット/リスクプロファイルが確立され、幅広く使用されている「ランタス(R)」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、100 U/mL)と同じインスリン分子をベースとする、1日1回投与の次世代基礎インスリン製剤。皮下に滞留した微細な沈殿物が緩徐に溶解することで、より長時間にわたって安定した薬物動態学的・薬力学的(PK/PD)プロファイルが得られるという。
血糖コントロール効果と低血糖発現率の低下を立証
欧州委員会によるToujeoの承認は、EDITION臨床試験プログラムの結果に基づいたもの。同プログラムは、現在の治療でコントロール不良の1型および2型糖尿病成人患者3,500人以上を対象とし、同剤の有効性と安全性をランタスと比較して評価した国際共同第3相試験から構成されている。
同試験の結果、Toujeoはランタスと同様の血糖コントロールと、良好な安全性プロファイルを示した。同剤は、2型糖尿病患者において、ランタスと比較して1日(24時間)および夜間の低血糖のリスクを有意に軽減。また1型糖尿病患者においては、ランタスと比較して、より安定し、より予測性の高い24時間以上の血糖コントロールを達成し、血糖値の被験者内変動も少なくなったという。
なお同剤は、米国食品医薬品局(FDA)の承認を既に取得しており、現在は世界各国の規制当局で審査中である。
▼外部リンク
・サノフィ株式会社 プレスリリース