製造・販売に関するライセンス契約をオランダ企業と締結
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月7日、3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨CTボーンを開発した株式会社ネクスト21が、4月30日にオランダXilloc社とEU諸国における製造・販売に関するライセンス契約を締結したことを発表した。
画像はリリースより
ネクスト21、東京大学、理化学研究所などの研究チームはNEDOプロジェクトにおいて、世界初となる3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨CTボーンを開発。これを受けて、今回のライセンスが契約された。
同契約では、ネクスト21が、欧州での製造販売登録に必要なテクニカルドキュメンテーションを含む製造適合性資料をXilloc社に提供。その後、Xilloc社が、欧州連合指令93/42/EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、登録完了後、EC諸国でのCTボーンの製造・販売を開始することとなるという。
自骨への癒合が早く、0.1mmの形状再現も可能
CTボーンは、3Dプリンターで製造するカスタムメイド人工骨。3Dプリンターでの成形方法は骨内部構造の設計もでき、0.1mmの形状再現ができるため、人工骨の成形には現在の成形技術の中で最も優れた方法だとしている。
また、日本国内では自家骨移植が主流だが、摘出による外科的侵襲や採骨部の形態が変わることが問題だった。CTボーンは従来の人工骨のように熱処理をしていないので、自骨への癒合が早く、優れた治療効果を出すのが特長だという。
今回契約を締結したXilloc社は2006年に、世界初となる3Dプリンター成形チタン製のカスタムメイド頭蓋骨インプラント製品の製造に成功。現在、オンラインで注文・3Dデザイン修正確認作業を可能にした「MedX」システムを使い、チタン製カスタムメイドインプラント製品を3Dプリンターで製造、販売している。
▼外部リンク
・新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース