開発・販売権の返還、事業の移管への具体的条件の協議を開始
大日本住友製薬株式会社は5月7日、武田薬品工業株式会社と2011年3月に締結した非定型抗精神病薬「Latuda(R)」(一般名:ルラシドン塩酸塩、以下「ラツーダ」)の欧州における共同開発・独占的販売契約を解消、武田薬品から大日本住友製薬へのラツーダに関する欧州の開発・販売権の返還ならびに事業の移管を適正に実行するため、具体的条件の協議を開始したことを発表した。
今回の契約解消は、武田薬品の販売戦略の検討に基づくもの。ラツーダの安全性や有効性に関する新たな知見に基づくものではないという。また、武田薬品が2011年3月に取得していた、英国を除くEU26か国ならびにスイス、ノルウェー、トルコおよびロシアを対象国としたラツーダに関する開発および販売に関する権利は、契約終了日に大日本住友製薬に返還されるという。
欧州展開に関して新たなパートナーとの提携を検討
大日本住友製薬は今後の欧州展開に関して、新たなパートナーとの提携を含め、あらゆる選択肢を検討するという。なお、契約解消による、両社の2016年3月期の連結業績への影響は軽微としている。
同剤は、成人における統合失調症治療剤として、2014年3月に欧州委員会(EC)より、2013年8月にスイス医薬品局(Swiss Medic)より承認を受理。現在、スイス、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、オランダ、英国で処方されている。欧州以外では、米国、カナダで成人における統合失調症・双極性障害治療剤、オーストラリアでは成人における統合失調症治療剤として承認を受けている。
▼外部リンク
・大日本住友製薬株式会社 プレスリリース