NEDA4達成の可能性、プラセボ投与よりも6倍高く
スイスのノバルティス社は4月21日、「ジレニア(R)」(一般名:フィンゴリモド)の第3相臨床試験であるFREEDOMSおよびFREEDOMS II試験の新たな解析結果を米国ワシントンDCで開催された第67回アメリカ神経学会の年次総会で報告したと発表した。
同試験でジレニアの投与を受けた治療歴のある疾患活動性の高い再発性多発性硬化症(RMS)患者は、2年以上にわたり疾患活動性の4つの主要な指標(NEDA4)において「疾患活動性の認められない状態」を達成する可能性がプラセボ群と比較して6倍高いことが示されたという(オッズ比6.35、95% CI 3.02~13.35、p<0.0001)。
NEDA4は、RMSにおける臨床的再発、MRI病変、脳萎縮(脳容積減少)、身体的障害の進行という4つの主要な指標に基づくもの。NEDA4の定義を用いることで、医師は患者の疾患と治療への反応を、さらに詳細に理解することができるとされている。
RMS患者の治療においてジレニアの重要性が高まる
今回の解析では初めて、前年に注射薬治療を受けた疾患活動性の高いRMS患者を、脳萎縮を含むNEDA4の定義を用いて評価。脳萎縮は中枢神経系の広範囲に及ぶ炎症性損傷(びまん性損傷)のマーカーであり、機能の喪失の蓄積と関連している。
さらに第3相臨床試験であるTRANSFORMS試験全体を対象とした別の解析結果から、NEDA4が達成される可能性は、ジレニア投与を受けたRMS患者でインターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え)投与より2倍高いことが示されたという。
同剤は、ノバルティス社が田辺三菱製薬株式会社から技術導入した薬剤で、海外ではノバルティス社が単独で、国内ではノバルティス ファーマ株式会社と田辺三菱製薬が共同で開発をし、2011年11月より多発性硬化症治療薬として販売している。
▼外部リンク
・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース