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骨転移のある前立腺がんの治療薬として「塩化ラジウム-223」の販売承認を厚労省に申請-独バイエル

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2015年04月30日 AM06:00

欧米ではXofigo(ゾフィーゴ)の製品名で承認を取得

ドイツのバイエル ヘルスケア社は4月24日、骨転移のある前立腺がんの治療薬として「塩化ラジウム-223 注射液」の製造販売承認申請を厚生労働省に提出したと発表した。

塩化ラジウム-223は、アルファ線を放出する治療用医薬品であり、骨転移に対して抗腫瘍効果を発揮する。カルシウムと同様に、骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、骨、特に骨転移巣を選択的に標的とするという。

高LET(線エネルギー付与)放射線であるアルファ線は、腫瘍細胞に対して高頻度でDNA 二本鎖切断を誘発し、強力な殺細胞効果をもたらす。また、アルファ線の飛程は100µm未満であるため、周辺正常組織へのダメージを最小限に抑えるという。

同剤は、欧米を含む世界40か国以上で「(R)」(ゾフィーゴ)の製品名で承認を取得している。

第3相臨床試験の良好なデータに基づく申請

今回の承認申請は、ピボタル第3相臨床試験であるALSYMPCA試験のデータおよび日本人の患者を対象に塩化ラジウム-223の安全性および有効性を評価した試験データに基づいているという。

同試験は、症候性の骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の患者を、標準的治療下で、塩化ラジウム-223を投与した群とプラセボを投与した群に無作為に割り付けた二重盲検によるプラセボ対照国際第3相臨床試験。19か国の100以上の施設から、921名の患者が参加し、4週間の間隔をおいた最大6回までの塩化ラジウム-223あるいはプラセボの静脈内投与が実施された。

同試験の中間解析では、塩化ラジウム-223は全生存期間(OS)を有意に延長し[HR=0.695(95% CI 0.552~0.875)、p=0.00185]、標準的治療下で塩化ラジウム-223を投与した群では全生存期間中央値が14.0か月であったのに対して、標準的治療下でプラセボを投与した群では11.2か月だった。また、プラセボ群との比較において、塩化ラジウム-223群では症候性骨関連事象の初回発現までの期間延長も認められたという。さらに盲検解除後に実施した最新の解析では、塩化ラジウム-223群ではプラセボ群との比較において、OSにさらなる延長が認められ、OS中央値はそれぞれ14.9か月、11.3か月だった[HR=0.695(95% CI 0.581~ 0.832)]。

ヘルスケア社は、塩化ラジウム-223が、現在治療選択肢が限られている患者に向けて革新的ながん治療薬の開発に全力で取り組む同社の姿勢を表す製品の1つであると述べている。

▼外部リンク
バイエル薬品株式会社 ニュースリリース

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