治療歴を有する進行期肺扁平上皮がん患者の全生存期間を延長
小野薬品工業株式会社は4月22日、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ(R)点滴静注 20mg、100mg」(一般名:ニボルマブ)について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(非扁平上皮がんを除く)」に対する効能追加承認申請を行ったことを発表した。
オプジーボは、化学療法の治療歴を有する進行期肺扁平上皮がん患者の全生存期間延長を世界で初めて示した、PD-1とPD-1リガンドの経路を阻害する免疫チェックポイント阻害剤。同剤は、海外第3相臨床試験(CheckMate-017)の中間解析において、ドセタキセルと比較して死亡リスクを41%低減させ、全生存期間(OS)の改善を示したという。OSの中央値は、オプジーボ群が9.2か月(95% CI: 7.3, 13.3)、ドセタキセル群が6.0か月(95% CI: 5.1, 7.3)だった。
複数のがん腫に対する有効性が期待される抗体製剤
同剤は、世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体として2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、日本での製造販売承認を取得。また、海外でも、2014年12月に米国で「Yervoy(R)(一般名:イピリムマブ)での治療後、かつ、BRAF V600 変異陽性の場合は、BRAF 阻害剤での治療後に、病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫」の治療薬としての効能・効果で迅速承認され、2015年3月には、「プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた進行期肺扁平上皮がん患者の治療」の適応が追加承認されていた。
なお、小野薬品は2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、小野薬品がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与。また、2014年7月には、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することに合意している。
▼外部リンク
・小野薬品工業株式会社 プレスリリース