チオトロピウムとオロダテロールの配合剤
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は4月18日、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のチオトロピウムと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)オロダテロールの配合剤の、日本人のCOPD患者を対象とした国内長期投与試験の結果を発表した。
同剤は、細かい霧状の薬剤をゆっくり生成し、噴霧させるレスピマット(R)ソフトミストTM吸入器を用いて1日1回吸入する開発中の新規配合剤。国内では2014年10月に販売承認申請を行っている。チオトロピウムは、4年間におよぶ大規模臨床試験「UPLIFT」で、COPDの増悪リスクを低下させ、患者の健康関連QOLを長期的に改善することが示されている。
この試験には、日本人患者122人が参加。チオトロピウム5μg+オロダテロール5μg群、チオトロピウム2.5μg+オロダテロール5μg群、オロダテロール5μg群のいずれかに1:1:1の比で割り付けられたという。有害事象(AE)の発現割合及び呼吸機能について評価を行った。
配合剤群及びオロダテロール単剤群の安全性は良好
参加者122人中110人(90.2%)が52週間の治験薬投与期間を終了。AEは98人(80.3%)で報告された。全体的なAEの発現割合は、3群間で類似していた。報告された主なAEは、鼻咽頭炎(32.0%)、COPD増悪(18.0%)、気管支炎(11.5%)、便秘(6.6%)。報告されたAEの大部分は、軽度又は中等度だった。対して、重度のAEは8人(6.6%)であったという。
また、トラフFEV1、FEV1 AUC0-3hのベースラインからの変化量は、オロダテロール群よりもチオトロピウム+オロダテロール群で数値的に大きい結果となったという。
同社では、日本人COPD患者を対象とした長期投与試験としては、チオトロピウム+オロダテロール配合剤群及びオロダテロール単剤群の安全性は良好だった。同社は、COPD患者に一日も早く同剤を提供できるように今後も取り組んでいきたいとしている。