■4年制卒業者は91人に
薬学生の実務実習実施の前提となる共用試験が09年度に実施されて以降、本紙では毎年、各大学の協力を得て合格者数の調査を実施し、実務実習の対象者数の把握を行ってきた。多くの薬科大学、薬学部では、各ホームページを通じてCBT、OSCEの各合格者数と最終合格者数を公表している。
今回も各受験者数を含め、各合格者数と最終合格者数について調査協力を求めた。74大学・学部のうち9割に当たる68校から、全項目に対する回答を得たが、ここでは各校ともに回答があったCBT合格者数とOSCE合格者数、最終合格者数の結果について示す。
最終的な共用試験合格者数は9789人で14年度の1万0068人より減少した。受験者数を回答があった65校で見ると、受験者総数8767人に対し最終合格者数は8508人、259人が不合格で1校平均4人弱だった。ただ、大学・学部によっては40人、30人台の不合格者を出すところもあった。
合格者数の減少状況は各校で異なるが、14年度と13年度とで受験者総数が比較できる65校に限って見ると、概ね受験者と合格者の減少数とが等しかった。13年度に比べ受験者数が最も減少したのは第一薬科大学の48人で合格者数も47人減少した。次いで43人減少した昭和薬科大学では合格者数が44人減少したほか、30人以上受験者が減少したのは徳島文理大学(35人)、千葉科学大学(32人)となっている。
一方、受験者が10%以上増加したのは、14年度と比較が可能な64校では、千葉大学37%増(受験者:13人増、合格者:13人増)、北陸大学33%増(28人増、31人増)兵庫医療大学28%増(29人増、19人増)、横浜薬科大学20%増(34人増、29人増)、九州保健福祉大学17%増(18人増、14人増)、長崎大学16%増(7人増、7人増)、富山大学15%増(8人増、8人増)、日本大学15%増(34人増、34人増)、明治薬科大学11%増(32人増、34人増)だった。
また、4年制学科卒業後、修士課程を経て特例的に共用試験を受験し合格した学生は、受験91人に対し合格91人であった。13年度は4年制併設の29校のうち、非公開であった1校を除く28校から回答があり85人だった。今回は29校全てから回答が得られた。このうち東北薬科大学、千葉科学大学、熊本大学の3校は該当なしだった。