リアルワールド試験解析結果によって検査の有効性を示す
英国のアストラゼネカは4月17日、臨床診療にて、進行性非小細胞肺がん(NSCLC)であり、かつ上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性と診断された患者に対する血漿中循環腫瘍DNA(ctDNA)検査の有効性を示す、2本の主要試験の結果を発表した。
この2本の主要試験は、ASSESS試験とIGNITE試験。両試験のデータは、スイス・ジュネーブで開催された2015年欧州肺がん学会議(ELCC)で報告された。
ctDNA検査結果と腫瘍生検結果の一致が示される
ASSESS試験は、進行性NSCLCにおけるEGFR変異に関するctDNA検査と腫瘍生検を比較した最初の大規模「リアルワールド」試験。1,162件の照合検体において、EGFR変異陽性の腫瘍および血漿ctDNA検査の結果がほぼ一致した。また、血漿ctDNA検査により、腫瘍検査でEGFR変異が確認された患者の約半数が同定され、腫瘍検査では見落とされた一部のEGFR変異患者が血漿ctDNA検査により同定されたという。これによって、EGFR変異においてctDNA検査が腫瘍生検の代替手段となり得る可能性を提示した。
さらに、2015年ELCCにおいて発表されたIGNITE試験の結果は、すべての進行性NSCLC患者におけるリアルワールドでのEGFR変異検査を支持するものとなったという。IGNITE試験では、ロシアおよび中国を含むアジア太平洋地域全体の多くの国々から組み入れられた3,300例超の患者に対して、組織および血漿ctDNA検査を実施。腺がん(ADC)組織型の進行性NSCLC患者におけるEGFR変異の頻度は、非ADC組織型患者と比較して高かったと報告した。しかし、非ADC組織型患者における変異のレベルは、すべての患者を検査する意味のあるレベルだったことを示唆したという。
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・アストラゼネカ株式会社 プレスリリース