売上上位3製品が揃って対前年比プラスに
日本イーライリリー株式会社は4月8日、都内で業績発表記者会見を行い、2014年度売上高は、対前年比7%増の2105億円、初の2000億円突破となったと発表した。製品別では抗精神病薬・双極性障害治療薬「ジプレキサ」が599億円(対前年比4.1%増)、骨粗しょう症治療剤「フォルテオ」が480億円(対前年比23.3%増)、抗がん剤「アリムタ」が370億円(対前年比5.4%増)など。また、注意欠陥/多動性障害治療剤「ストラテラ」は対前年比43.3%増の139億円と大きく伸長した。(いずれも薬価ベース)
日本イーライリリー株式会社 代表執行役社長
パトリック・ジョンソン氏
同社代表執行役社長のパトリック・ジョンソン氏は、業績が好調な理由として「さまざまな領域において革新的な製品を届けられたことで、成長路線を継続できた」との見解を示し、2020年までに国内売上ランキングのトップ10入りを目指すという目標も掲げた。
より多くの画期的新薬を世界同時開発で
2015年1月には、バイオ後続品のインスリン製剤「リリー」およびミリオペンが製造販売承認を取得したほか、週1回投与の2型糖尿病治療薬「Dulaglutide」の承認を申請し、「サインバルタ」が繊維筋痛症に伴う疼痛および慢性腰痛に伴う疼痛の適応拡大を申請。2月は2型糖尿病治療薬「ジャディアンス」を新発売。3月には日本人を対象とした臨床試験も行われた、世界同時開発品のひとつである抗がん剤「サイラムザ」で製造販売承認を取得するなど、新薬開発も順調な同社。
ジョンソン氏は、2015年には5製品(効能追加を含む)を上市予定だと明らかにした。「入社して25年になるが、今までこのような大きな上市はみたことがない規模」(ジョンソン氏)
ほかにも、関節リウマチ治療薬「baricitinib」やアルツハイマー型認知症治療薬「ソラネズマブ」など22製品が後期開発品として紹介された。また、産学連携で創薬を目指すオープンイノベーションとして、日本のアカデミアと連携した共同研究やパートナー企業との世界同時開発の状況も紹介した。国内での研究開発に注力し、2020年までに日本発の創薬を世界に届けることを目指す、とのこと。
「現在、世界同時開発で臨床試験を進めている製品は8割以上を占めており、日本の患者さんに革新的な医薬品をいち早く届けてまいります」(ジョンソン氏)
▼外部リンク
・日本イーライリリー株式会社 業績発表