EFPIAでは、12年第2四半期以降に上市される新薬に関して後発品浸透率が、10年以前に比べ、2・25倍に拡大すると想定。医薬品全体に占める後発品比率は、後発品のない先発品を分母に含めない新指標で17年に59%、25年に70%に伸びると予測した。一方、長期収載品では、14年以前に特許切れした医薬品が激減するが、新薬上市が安定的に続き、新たに特許切れする製品が追加されることで、全体的には微減となると見通した。
その上で、14~25年の薬剤費年平均成長率0・13%という予測値は、厚生労働省が推計する医療費の年平均成長率2・2%を下回るとして、新薬創出等加算による加算額が医療費全体に与える影響が限定的だと分析。後発品の浸透促進による薬剤費削減額が8000億円と予測する一方、新薬創出加算制度による薬剤費支出増が、5000億円にとどまるとの試算結果をデータの根拠とした。
制度が継続されなかった場合、新薬市場が25年時点で約10%縮小する可能性があるシナリオも示した。EFPIAでは、「新薬創出加算の仕組みは、薬剤支出を増やすことなく、新薬・イノベーションの創出を促進する」として、新薬創出加算制度の継続を要望している。
■18~21年ピークにその後は縮小‐日大・白神教授
日本大学薬学部の白神誠教授は、14日にEFPIAが都内で開催したセミナーで講演し、「医薬品市場は、2018~21年をピークに減少に転じる」と述べ、「後発品の市場規模は、24~25年には14~15年の1・6倍に達する」との見方を示した。
長期収載品はいったん市場が縮小するものの、20~21年を底に、大型新薬が長期収載品化し、増加に転じるとした。ただ、「5~10年後を考えると、長期収載品市場は急速に縮小する」と予想した。
今後、新薬の売上シェア低下が予測される中、白神氏は、「長期収載品の後発品への置き換えや価格の強制的な引き下げによって生じる資金の少なくとも一部は新薬に回すべき」と指摘した。ただ、「新薬創出等加算が唯一の方法でないかもしれない。どのように実現させるかについては、納得がいく説明が必要」との考えを示した。