タカラバイオ、アフィメトリクス社と協力体制を確立
音楽配信などのモバイル・コンテンツを配信する株式会社エムティーアイは4月10日、同社100%子会社の株式会社エバージーンが、医師であり遺伝統計学の権威である株式会社スタージェン代表取締役会長の鎌谷直之氏の監修による遺伝子解析サービス「DearGene(ディアジーン)スターターキット」の販売を同日から開始したことを発表した。また、併せて米アフィメトリクス社およびタカラバイオ株式会社と遺伝子研究の分野において協力体制を確立したことを発表した。
(左から)タカラバイオ 峰野純一常務取締役、
エバージーン 秋田正倫代表取締役社長、
スタージェン 鎌谷直之代表取締役会長、
アフィメトリクス社Matthew Levy
アジアパシフィックバイスプレジデント
「DearGeneスターターキット」は、アフィメトリクス社製のマイクロアレイ「Axiom(R)」プラットフォームを採用。鎌谷氏と共同で開発したエバージーンオリジナルのマイクロアレイを用いて、タカラバイオが遺伝子解析を実施する。得られたデータは、鎌谷氏が開発したリスク算出ロジックを用いて、エビデンスにもとづいた、信頼性の高い遺伝子解析結果として、顧客に提供するという。
秋田氏「最高水準の研究結果をサービスに還元」
同日行われた新体制および新商品説明会で、エバージーン代表取締役社長の秋田正倫氏は「現在、遺伝子解析のサービスは、がん、生活習慣病、遺伝病といった重篤な疾病に関わるものが多いように思われます。しかし、まだまだ未研究の分野も多くあります」と語った。
エムティーアイが運営する女性向け携帯サイト「ルナルナ」会員を対象に昨年行った、食物アレルギーや味覚などに関する遺伝子解析サービスに関する共同研究では、短期間で1万人以上の応募が殺到したという。
新たな領域での研究やサービスを向上させるため、信頼できる解析機器メーカーとしてアフィメトリクス社、信頼できる解析ラボとしてタカラバイオ、遺伝統計などの専門家として鎌谷氏が率いるスタージェンと共に今回のサービス開発を行った。「サービスと研究は同じプレーヤーが行うことによって、相乗効果が生み出すビジネスモデルを作れると考えています。アフィメトリクス社、タカラバイオ、スタージェンによって生み出された最高水準の研究結果をサービスに還元していきます」(秋田氏)
DearGeneスターターキットの対象疾患は、食道がんや胃がん、子宮頸がんなど10種のがんからスタート。6月には体質、8月には生活習慣病、その後は食物アレルギーなど、研究結果が公開され次第、検体の再採取なしで追加(購入)できる予定としている。