GOG-0240試験では死亡リスクを26%減少
スイスのロシュ社は4月8日、欧州委員会が治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの成人に対するAvastinと標準的な化学療法の併用療法を承認したことを発表した。
欧州では毎日、90人の女性が子宮頸がんと診断され、これらの女性の約35人が死亡すると推定されている。欧州における治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対する同剤の承認は、これまで治療選択肢が化学療法に限定されていた子宮頸がんの領域では、重要な進歩となるとしている。
今回の承認は、統計学的に有意な生存期間の延長を認めた主要な臨床試験である「GOG-0240試験」の成績に基づくもの。GOG-0240試験では、Avastinと化学療法の併用を受けた女性において、統計学的に有意に死亡リスクを26%減少することが認められた。生存期間の中央値では、化学療法単独に比べて約4か月の延長が確認されたという。
国内でも子宮頸がんを対象として第2相臨床試験を実施中
同試験の成績に基づき、米国では2014年8月、スイスでは同年12月に、Avastinはpaclitaxelとcisplatinの併用またはpaclitaxelとtopotecanの併用で、治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの女性に対する治療として承認されている。日本国内では、子宮頸がんを対象とした第2相臨床試験が実施されている。
ロシュ社最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士はプレスリリースで、
「我々は、欧州の女性が今やっと、化学療法単独と比べて生存期間の延長への寄与が証明されている、必要性の高い、新たな治療選択肢を得たことを嬉しく思います。現在、進行子宮頸がんと診断された女性の5年生存は、6人中1人を下回っています。Avastinの承認は、治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんの女性において歓迎すべき進歩です」
と述べている。
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・中外製薬株式会社 プレスリリース