MR数が減少傾向のなか、コントラクトMRの稼働は大幅増
CSO企業8社から構成される日本CSO協会は4月10日、東京・品川で2014年度の活動報告会を開催した。同会で公表された「わが国のCSO事業に関する実態調査~2014年度~」によると、2014年10月時点における国内稼働のコントラクトMRの数は4,148人。前年比16.8%増の大幅な増加となった。
2011年6月に発足した日本CSO協会
MRの全体数が減少傾向のなか、コントラクトMRの稼働が増加していることについて、同協会の清水昇会長(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 代表取締役社長)は、「新薬メーカーは、これまでは新薬上市から営業体制が確立するまで、数年単位でみていましたが、糖尿病やC型肝炎治療薬など大型品が上市した2014年は垂直立ち上げを試みるメーカーが増加し、必要な時期に必要な人数のMRを提供できるアウトソースとしてCSOのニーズが増大しました」と分析する。また、CSO活用企業の裾野の拡大も進んでおり、「これまであまり活用がすすまなかったMR数500人規模未満の企業がCSOを活用するケースが増えています」(清水氏)
業界全体で年間1,000人以上の大規模採用が続く
その他の最近のCSO活用動向として、「エリアや支店全体を請け負うCSOマネジメント型プロジェクトや、MSLやエデュケーショナル・ナースなどへの新しいアプローチ、スペシャルティ領域部隊の構築等、戦略的な活用が波及的に拡がっています」と清水氏。コントラクトMRに求められるパフォーマンスも高まっており、業界全体で育成・採用に注力をしているそう。その結果として、コントラクトMRの2014年12月のMR認定試験合格率は91.0%と、医薬品業界全体の合格率74.4%を大きく上回り、メーカーMRの合格率(91.4%)に肉薄している。
また、2014年10月1日時点のCSO9社の採用人数は1,883人で、調査を開始した2009年以降最も多くなった。そのうち約3割をMR経験者が占め、CSOビジネスが確立したことで製薬企業からCSOに転職する人材が増加していることが分かった。「今後もより多くの企業において戦略オプションの1つとしてCSOの活用機会は拡大していくでしょう」(清水氏)
▼外部リンク
・日本CSO協会 ホームページ