大手ドラッグストア等で相次ぎ発覚した薬歴未記載問題について、厚生労働省の唐澤剛保険局長は7日、参議院厚生労働委員会で、関係団体に要請している自己点検の結果、調剤報酬における薬剤服用歴管理指導料の不正請求の事実が確認された場合、調剤報酬の返還を含めて厳正に対処していく考えを示した。羽生田俊議員(自民)への答弁。
羽生田議員は、一連の薬歴未記載問題を受け、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が全ての加盟社に対し、薬歴管理状況の再点検と薬歴記載の徹底を要請すると共に、再び不祥事が起こらないよう「調剤業務不適切問題対策本部」を設置し、厳格な業界指導を行っていくとの方針を示したことに触れ、「指導料で問題があった場合、医科では返還命令が出されるが、調剤は指導で終わらせてしまうのか」と追及。政府に対し、薬歴未記載問題の把握状況、保険上の対応を質した。
唐澤保険局長は、薬歴未記載問題について「大変大きな問題と受け止めている」との認識を示し、薬歴未記載が発覚した企業、関係団体に薬歴未記載状況の自己点検した結果を報告するよう求めており、「こうした企業、団体から集計作業の進捗状況について報告を受けているが、傘下の薬局が多いところもあり、集計が完了していないところもある。早期に最終的な報告をするよう要請している」と現状を説明した。
その上で、報告内容を十分に精査しながら、今後の対応を検討していきたいとすると共に、自己点検の結果、不正請求等が確認された場合、「調剤報酬の返還等を含め、厳正に対処していきたい」との方針を示した。
これまで調剤報酬の薬剤服用歴管理指導料について、薬歴に十分な記載がなかったために返還した事例はあるという。