米MD Andersonと「h8F4」の創製を目指す
アステラス製薬株式会社は4月3日、米国のThe University of Texas MD Anderson Cancer Center(以下、MD Anderson)と、急性骨髄性白血病を対象としたモノクローナル抗体医薬の研究・開発に関するオプション契約を締結したことを発表した。
同契約は、MD AndersonのStem Cell Transplantation & Cellular TherapyのProfessorであるJeffrey Molldrem, M.D.が発見した、ヒト化モノクローナル抗体「h8F4」の急性骨髄性白血病に対する治療薬としての創製を目指すもの。一部の急性骨髄性白血病患者のがん細胞には、「PR1/HLA-A2」と呼ばれるHLA(主要組織適合遺伝子)抗原ペプチド複合体が発現することが知られており、h8F4はこれに特異的に結合し、抗がん作用を示すことが知られている。
全世界を対象地域とする独占的ライセンスに関する第一交渉権を留保
今回の契約に基づき、h8F4の急性骨髄性白血病に対するPhase 1b試験完了までの研究及び開発を、MD Andersonが主導し実施する。アステラス製薬は、Phase 1bの試験完了後における、h8F4の全世界を対象地域とする独占的ライセンスに関する第一交渉権を留保。契約期間中、オプション費用及び研究・開発費用の総額として、最大で26百万米ドルをMD Andersonに支払う可能性があるとしている。
アステラス製薬の畑中好彦代表取締役社長は、プレスリリースで、
「h8F4は全く新しい抗がん作用を持つ抗体であり、今回の提携により、急性骨髄性白血病と闘う患者さんに、ファーストインクラスの画期的な治療薬を届けられることを期待しています。今後もアステラス製薬は、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域における新薬の創出に、自社研究及び最先端の科学を有する外部のパートナーとの提携を活用しながら注力していきます」
と述べている。
▼外部リンク
・アステラス製薬株式会社 プレスリリース