下肢用生体吸収性ステント「Remedy」の販売支援について
株式会社カネカは4月3日、株式会社京都医療設計と、欧州市場での生体吸収性ステントの販売提携に4月1日付けで基本合意したことを発表した。
京都医療設計は2007年に生体吸収性ステントのCEマークを取得し、世界で初めて商品化している。今回の提携では、同社が既に欧州で販売している下肢用生体吸収性ステント「Remedy」を、カネカのグループ会社であるカネカファーマヨーロッパN. V.を通じて欧州連合地域内で販売を支援する予定としている。
血管内で消失する生分解性樹脂のポリ乳酸を使用
一般的なステントは、ステンレススチールやコバルト合金などの金属でできているが、Remedyは生分解性樹脂であるポリ乳酸で設計されている。そのため、血管留置後2年から3年の期間を経て徐々に消失し、異物が血管内に残留することによる血管詰まりの再発(再狭窄)が軽減される仕組みだ。また、従来の金属ステントのように体の中に異物として残留しないため、ステントを埋め込んだ箇所が再び狭くなっても、再びステントを埋め込むなどの再治療の妨げにならない特徴を有しているという。
将来的にこのような生体吸収性ステントの割合は、心臓冠動脈の治療に使われる全ステントに占める50%以上になると見込まれている。カネカでは、今回の京都医療設計との欧州販売提携を皮切りに、グローバル市場において各種生体吸収性ステントを本格的に展開することを予定しているという。さらに、2020年には心臓・下肢を含む血管内治療領域で600億円の売上を目指したいとしている。
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・株式会社カネカ ニュースリリース